発信原稿史料紹介・番外編

学習院大学文学部史学科2年 長谷川怜 

 今回は、史料の内容ではなく、史料本体についての解説を載せたい。
 発信原稿は、「大本営」「陸軍」「満洲軍総司令部」などの罫紙に書かれた文書を日付順に紐で綴じたものである。大きさは、ほぼ現在のA5版、厚さは約8センチ、総ページ数は900ページに及ぶ。
 側面にも「發信原稿」の文字が記されている。これは、こうした資料を横積みで保管(当時の陸軍部内で)する際に整理が付きやすく、またすぐに取り出せるように書かれたものであるが、もうひとつ大きな理由がある。
 それは、資料の差し替えや追加・抜き取りを防ぐためである。こうした機密資料の改変は情報漏れを防ぐという観点から避けられるべきものである。側面に字が書いてあれば、それらの作業が行われた際に「隙間」ができるため一目遼前となる。そうした考えが見て取れるのである。