蔚山沖海戦

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海戦の経過


 開戦以来、ウラジオ艦隊は日本近海に出没し、多くの商船を拿捕・撃沈してきた。連合艦隊は上村率いる第二艦隊にウラジオ艦隊の捜索を命じたが、なかなか捕捉することができなかった。
 明治三十七年八月十四日、第二艦隊は旅順艦隊の出港に呼応して出撃してきたウラジオ艦隊と蔚山沖で遭遇。約二時間半の砲戦でリューリックを撃沈させ、さらにロシア、グロムボイを大破させた。












 第二艦隊はロシア、グロムボイを追うが、砲弾が尽きたため追撃を断念。引き返してリューリックの乗員を救出した。



第二艦隊の旗艦 巡洋艦出雲


第二艦隊の巡洋艦磐手


海戦後に出雲に救助されたリューリックの乗員。


逸話

  沈没したリューリックの捕虜を収容後、上村が「あんなに癪にさわったのだから、兵士達が捕虜をひどい目に遭わせはしないか心配だ」と言うので、佐藤が下甲板の様子を見に行った。すると、負傷した捕虜を寝かせている部屋に兵士が群がり、何か音が聞こえる。「待て待て、どうしたんだ」そう言って人をかき分けて進んでいくと、負傷したロシア兵を日本兵が扇で扇いでいた。「こいつら憎い奴でしたが、こうなっては可哀想です」そう言う兵士の言葉を聞き、『タマラナイほどうれしく感じた』という佐藤は、早速そのことを上村に報告した。上村は「そうか、それで安心した」と言った。