「坂の上の雲」登場人物
五十音順一覧表 【せ】

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瀬戸口藤吉【せとぐちとうきち】

  1868年〜1941年。薩摩藩出身。軍艦行進曲の作曲者。海軍軍楽師・軍楽長として各艦乗艦し、北清事変や観艦式などに参加した。日露戦争中は舞鶴海兵団付で、日本海海戦後に三笠に乗艦したが、三笠爆沈時は上陸していて難を逃れた。退官後は東京帝国大学などで後進を指導するなど第一線を退いていたが、昭和12年には愛国行進曲の公募で瀬戸口の曲が第一位となって採用されている。




仙波太郎【せんばたろう】


出身地

松山藩

陸軍士官学校

旧2期

生没年

1855〜1929年

陸軍大学校

1期

最終階級

陸軍中将

日露戦争時

清国駐屯軍司令官


 陸軍教導団を経て士官学校に入学し、その後秋山好古と同期の一期生として陸大に入学する。卒業後は参謀本部勤務、ドイツ留学、歩兵第12連隊大隊長を経て、第5師団参謀として日清戦争に従軍。その後は陸軍士官学校教官、第10師団参謀長、歩兵第24連隊長などを務め、明治36年に清国駐屯軍司令官となった。日露戦争中は清国内における諜報活動に携わっている。日露戦争後は旅団長、下関要塞司令官、師団長などを歴任し、中将で退役。退役後は4年ほど岐阜県選出の衆議院議員も務めている。桂太郎、宇都宮太郎と共に「陸軍の三太郎」と称されていた。


奥さんは如何ですか

 ドイツ留学中、強直一点の仙波に対しある友人が、「軍人と云えども時にはお世辞も必要だから、上官に接する時はその夫人の機嫌くらいは尋ねてやりたまえ」と教えた。ある日、散歩に出た仙波は当時所属していたアウグスデンブルグの連隊長に会ったので、人通りの多い中で敬礼しつつ「奥さんは如何ですか」と教えられた通りに尋ねた。連隊長は意外な質問に度を失い、わざと聞こえないふりをして通り過ぎようとしたが、聞こえなかったと思った仙波はさらに高い声で「奥さんは如何です」と繰り返したので、連隊長はその場を逃げ出してしまった。


文学嫌い

 文壇人国記(明治44年 横山健堂著)によると、仙波は文学嫌いであり、文学青年を見ると「小説だけは御作りなさるなよ」と懇ろに説いていたという。