海軍英文尺牘文例

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書名

海軍英文尺牘文例

著者

秋山真之

出版

水交社

出版年

明治三十九年



 秋山真之の最初の著作物です。初版は日露海戦前年の明治三十六年二月。我が家にあるのは第二版で、明治三十九年八月に再版されたもの。どちらも真之が海軍大学校教官の頃です。
 ベースになっているのは明治十五年に海軍兵学校の御雇い英語教師が執筆したテキスト。その増補改訂の必要性を感じた水交社幹事が真之に改稿を依頼したとのことです。米国留学や英国駐在の経験を買われたのかもしれません。

 内容ですが、前半は主に紹介状、招待状、案内状と、それらの返書の文例で構成されています。後半には「戦闘報告書」などの公用文例、預金や物品注文などの商用文例が掲載されています。基本的にはどこにでもあるような普通の英語参考書です。
 執筆の経緯の都合上、後の「軍談」のような真之らしさというものが無いのは仕方のないことですが、それでも読み進めていくと興味深い文例が出てきます。例えば、




 写真左ページは1893年(明治26年)の天長節に吉野艦上で行われた余興の一覧です。「Sambaso(伝統芸能の三番叟)」「Urashima(浦島太郎の寸劇?)」「Adachigahara(能の安達ヶ原)」「Japanese Fencing(剣道の演武?)」など明治期らしい演目が並んでいます。

真之の名刺


 名刺の例文紹介では、真之自身の名刺のサンプルが貼り付けられています。詳しくは相互リンク先の「帝国海軍調べ隊!」で管理者様が記事にされているのでそちらをご覧ください(斎藤七五郎の所蔵本とのこと。貴重です!)。違いとしては、こちらの書籍は第二版なので、第一版執筆当時の少佐から昇進し肩書きが「Commander」(中佐)になっています。