書名 |
古代発見 |
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著者 |
秋山大 |
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出版 |
道統社 |
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初版 |
昭和18年 |
真之の長男 秋山大(ひろし)の著作。巻末の著者略歴には「明治三十九年生。専ら独学、傍ら曹洞宗大学に学ぶ。大倉精神文化研究所研究員」とあります。著者の歴史観、宗教芸術についてのエッセイが中心となっていますが、父
真之、祖父 稲生真履のエピソードもいくつか掲載されています。このうち「桃太郎と紙雛」の章から抜き出したエピソードは「父 久敬と母 お貞」で紹介しています。この他、興味深かったのが最終章の一文。太平洋戦争中の昭和17年に書かれたエッセイで、最後は「有無の合一に大東亜の運命があり、実践がある。しかしそれは日本のみの、天佑神助によって現れるのである。天佑神助のみの日本は、有の世界からも無の世界からも考えられない所にある」と真之が報告文で用いた「天佑神助」を強調して締めくくっています。古書市場での価格は1000円〜3000円。出版数は三千部だったようなので、流通量も少なめです。