旧近衛師団司令部庁舎

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 地下鉄「九段下駅」「竹橋駅」から徒歩10分、北の丸公園内にある東京国立近代美術館工芸館は、もともと近衛師団の司令部庁舎として使われていた建物です。1945年8月15日、終戦に反対する将校が近衛師団長を殺害し、玉音放送の録音盤を奪おうとしたクーデター「宮城事件」の舞台にもなった場所です。

 明治43年に建設された庁舎なので、大正4年2月〜5年2月に近衛師団長を務めていた秋山好古の勤務場所でもあります。明治期の師団司令部庁舎はこの他に、明治31年建築の第九師団司令部の一部が石川県庁石引分室として残されているようです。

 師団司令部前にあるこの躍動感ある騎馬像は北白川宮能久親王の銅像です。寛永寺貫主であった頃に起きた上野戦争で彰義隊に擁立され、その後さらに奥羽越列藩同盟の盟主に擁立された人物です。維新後は陸軍軍人となり、明治28年に台湾征討近衛師団長として台湾に出征した際にマラリアに罹り台南で亡くなっています。彰義隊関連の史跡を見学した際、寛永寺の案内板に北白川宮の名前があったのは覚えていましたが、後に軍人となり、ここに銅像があるということが意外でした。


交通案内

都営三田線の竹橋駅または九段下駅から徒歩10分ほど。北の丸公園内。