勲章の佩用

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勲章、記章の付け方


 ・旭日章  「平時戦時を問わず国家に対し著しき勲功のありたる者に賜ふ」 
 ・瑞宝章  「平戦両時を問わず国家に対し勲労ある者に賜るもの」 
 ・金鵄勲章 「武功抜群の者に賜るもので功級に応じ終身年金を下賜せらる」 
 
 旭日章(きょくじつしょう)と瑞宝章(ずいほうしょう)は勲一等〜八等、金鵄勲章は功一級〜七級に分けられている。金鵄勲章(きんしくんしょう)は戦場で活躍した軍人だけがもらえる勲章であり、旭日章や瑞宝章よりも高位な位置づけであった。金鵄というのは金色の鵄(とび)のこと。神武天皇の東征の際、天皇の弓先にとまった金色の鵄が発した光によって、敵軍を打ち破ることができたという「古事記」の伝承にちなんだものである。ちなみに、好古は金鵄勲章の年金を役所で受け取るとすぐに困っている人に渡したり、部下の宴会などに寄付してしまうため、副官が気を利かせて夫人に直接届けていたという逸話が残っている。

 勲章は右胸側から順番に付けていく。優先順位は、金鵄勲章→旭日章→瑞宝章→外国勲章→従軍記章→・・・となる。
 勲一等旭日大綬章の場合、「大綬」という襷のようなものを身につける。「綬」は勲章や褒章を身につけるために用いる飾り紐で、大綬・中綬・小綬・略綬の4種がある。大綬は右肩から左脇に垂れ、副章(勲一等旭日大綬章の副章は、勲二等旭日重光章)を左胸に佩用(はいよう)する。勲三級、功三級、功四級は中綬で喉下に帯び、それ以下の勲章、記章は小綬で左胸に佩用している。


 また、軍人の場合は階級や勲章の等級などを名前の前に並べて表記する事が多い。順番は職名→階級→位階→勲等→功級→爵位→学位→氏名となっている。

    (階級)   (位階)   (勲等)  (功級)   (氏名)

  陸軍大将 従二位 勲一等 功二級 秋山好古

  海軍中将 従四位 勲二等 功三級 秋山真之



 注:写真の勲章の種類、本文中の解説ともに間違いがあるかも知れません。ご指摘いただけると助かります。