札場河岸公園

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「奥の細道」と草加宿

松尾芭蕉像

 埼玉県草加市にある公園。このあたりは日光道中の宿場町であり、松尾芭蕉が「奥の細道」で「其日漸[ようよう]早加(草加)と云[いう]宿にたどり着にけり」と記していることから、千住を発った芭蕉と曽良が最初に宿泊した地であると言われていました。実際は、曽良の日記に「カスカベニ泊ル」と書かれていることから、最初の宿泊地は春日部であるとの説が有力なようです。
 公園内には奥の細道旅立ち300年を記念して平成元年に建立された松尾芭蕉像があるほか、河合曽良像、奥の細道文学碑などがあります。


正岡子規、高浜虚子句碑

 明治二十七年三月、子規は虚子を誘って千住〜草加〜西新井を散策しています。公園内にある句碑に記されている俳句は、この旅で二人が詠んだものです。

【「発句を拾ふの記」より】
 亀戸木下川に梅を観、蒲田小向井に春を探らんは大方の人に打ち任せて我は名もなき梅を人知らぬ野辺に訪はんと同宿の虚子をそそのかして薄曇る空に柴の戸を出づ。
(中略)
 ささやかなる神祠に落椿を拾ひあやしき賤の女に路程を尋ね草加に著きぬ。
  順禮や草加あたりを帰る雁 虚子
  梅を見て野を見て行きぬ草加迄 子規


高浜虚子句碑

順礼や草加あたりを帰る雁 虚子



正岡子規句碑

梅を見て野を見て行きぬ草加まで 子規




 ※「発句を拾ふの記」は改造社版「子規全集」第十巻、講談社版「子規全集」第13巻に収録されています。