東郷公園 秩父御嶽神社

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 紅葉狩りに行こうと思って関東の紅葉スポット特集を見ている時に偶然「東郷公園 秩父御嶽神社」を見付けました。「東郷公園」という名前が気になってさっそく調べてみると、世界で唯一東郷平八郎の許可を得て作られた銅像や、海軍省から下賜された三笠の被弾甲板があるとのこと! 場所は池袋から電車で1時間半ということで少し遠かったのですが、見たいものが色々あるので行ってきました。
 ちょうど「もみじまつり」の時期だったので、吾野駅にはポスターが貼られていました。


 公園は駅から徒歩15〜20分との事でしたが、道がよく分からないので公園から駅に戻ってきた方に聞いてみると、「もみじまつりの旗に沿って歩いて行けば着きますよ。ちょっと坂がきついですけど」と教えて頂けました。言われたとおりに進んでみると・・・・、

 ハイキングコースでした。ほとんど山道です。自分だけなら特に問題は無いのですが、2歳児とベビーカー持参だったので大変でした(うちの2歳児は平地は歩くのを嫌がるくせに、なぜか山道、階段、急勾配など疲れる所は自ら歩いてくれるので余計に危ない・・・)。ちなみに、帰りは下の車道の方を歩いて戻って行ったのですが、

 そこから見上げるとこんな感じ。車道は目印が無いせいか観光客はほとんど居なくて、大半の人がハイキングコースを通っているようでした。電車の中でもハイキングの格好をした人ばかりだった理由がようやく分かりました。実際に行く時は、歩きやすい服装、靴で行くことをお勧めします。

 さて、何とかハイキングコースを通り抜けて東郷公園に着くと、

 さらに急勾配(泣)。紅葉はきれいでしたが、手を離せばベビーカーが猛スピードで駆け下りて行きそうな場所だったので、のんびり見る暇もなく、上に着くころには疲れ切っていました(帰宅後に嫁が「公園って言ってたから平地だと思ってたけど、あれは東郷だよ・・・」と言ってました)

 坂を登りきったところでまず見ることのできる日露戦争関連展示物は、

 ロシア海軍の水雷(左の写真)と対艦砲弾(右の写真)。日本海軍の物ではなくロシア海軍の兵器が展示されているのが意外でした。ここからさらに階段を上って行くと、

 昭和三年に東郷が揮毫した「各員一層奮励努力」の碑があります。このすぐ正面が、

 紅葉に囲まれた東郷平八郎像。東郷平八郎本人が建立を許可した唯一の銅像であり、除幕式には東郷自身も出席したそうです。除幕式当時の写真は「東郷公園 秩父御嶽神社のホームページ」に載っています(ここにも東郷大好きな小笠原がいます)

 銅像近影。東郷と紅葉、なかなか良い組み合わせですね。写真には写っていませんが、台座の「嗚呼名将」の献辞は当時の海軍大臣財部彪です。

 銅像の後ろ側から見た紅葉。ちょうど紅葉が見ごろの時期だったので、とても綺麗でした。

 さて、この東郷像の隣にあるのが展示物の中でも一番見たかったもの、

 三笠の被弾甲板です。日露戦争当時の写真で被弾した軍艦はいくつか見たことがありますが、間近で実物を見ると砲弾の破壊力がよく分かります。甲板の装甲なので厚さは2〜3センチ程度ですが、固い鉄板が障子が破れたような形になって捲れています。

 「これってクルップ鋼なんだよなぁ」とか考えながら、軽く拳で数回叩いてみました。先に見てきたようなロシア軍の砲弾が中ると、装甲もこんなふうになってしまうんですね。三笠のどの部分なのかは分かりませんが、捲れている方向から考えると内側部分に貼られた装甲のようです。

 ここからさらに登って行くと、小さな東郷神社があります。さらにその上、

 1901年製のロシア軍の野砲が展示されていました。これも写真では見たことがありますが実物は初めてです。裏側から見ると、発砲の勢いで後退する砲身をスプリングで押し戻す機構部分もよく分かります(この裏側部分、どこかで見たことがあるなぁと思って自宅の資料を探してみたら、歴史群像シリーズの「日露戦争 兵器・全戦闘集」に載っていました)。以前、部品の盗難があったとの事で扉も閉められていたので、触る事は出来ませんでした(写真は柵の隙間から撮っています)。

 海軍の東郷の公園に陸軍の野砲があるだけでなく、さらに陸軍の乃木の銅像もあります。

 東郷像同様、紅葉と乃木の組み合わせもいいですね。若い将校の銅像であれば「桜」が合いそうですが、壮年の将軍の銅像はこのような「紅葉」が合うような気がします。普通に銅像だけの写真を撮るよりも、その人物のイメージにも合うような写真に仕上がります。ちなみに台座の献辞は当時の陸軍大臣である宇垣一成です。

 乃木像から見下ろした景色。ここも見ごたえがあります。秩父御嶽神社は、このあたりでは紅葉スポットとして有名な場所だそうです。興味のある方は紅葉の時期にぜひ行ってみて下さい。