企画の打ち合わせから執筆依頼を受けるまで


突然の依頼メール

7月下旬の某日、文藝春秋の鈴木編集長からメールが届きました。今年も「坂の上の雲」の臨時増刊号を出すことになったので、前任者の飯沼前編集長の紹介により、企画相談をお願いしたい、とのこと。
これを見て「文藝春秋から直接依頼って、大事になってきたなぁ」と意外な展開に驚きつつも、「こっちは素人だから、さすがに執筆依頼まではないよね」と嫁と話していました。この時点で想定していたのは、既に候補が上がっている企画について読者視点からの意見を求められる程度、そう考えていました。


打ち合わせのため文藝春秋本社へ

8月某日、打ち合わせのため文藝春秋本社へ行ってきました。

文藝春秋本社

もちろん、出版社の本社ビルに入るのは初めてです。大手出版社からの依頼という事態にまだ実感がわかず、戸惑いながら受付へ。その後、ロビー横のサロンに通され、座席近くに創業者 菊池寛の胸像があるのを見て「本当に文藝春秋に来てしまったんだ・・・」と急に緊張してきました。そわそわしながら待つこと数分、鈴木編集長が資料や書籍を抱えて入室してきました。


企画相談の内容とは

ご挨拶をした後、さっそく企画の打ち合わせに入りました。「今日ご相談したいことなんですけどね、この本って全部読まれましたか?」と鈴木さんから出されたのは見慣れた4冊。

半藤一利さんが、この座談会の内容を記事にしたら面白いのではないかと提案されたそうです。そこで、どのような構成にし、どのエピソードを載せたらよいか意見を聞きたい、というのが企画相談の趣旨でした。


「お願いしてもいいですか」!?

この4冊はサイト掲載用エピソードのネタ本としてかなり読み込んでおり、興味深いエピソードの部分は付箋紙を貼るなどピックアップしやすいようにしていることなどを話したところ、「この本と「坂の上の雲」と両方読み込んでいるようですから、書いて頂いた方が早いかもしれませんね。お願いしてもいいですか?」といきなり執筆依頼!
その場の勢いで「はい」と即答しましたが、基本的にノープラン。とりあえず、小説本編に載っていないエピソードの中から面白そうなものを原稿用紙10枚分くらいピックアップし、あとから精査するということになりました。


「日本海海戦の回想」も企画候補に

途中から飯沼前編集長も合流。「坂の上の雲」や司馬さんの話題で盛り上がりました。特に、司馬さんと直接お会いしたことのあるお二人から聞くことのできたエピソードは興味深い物でした。
いろいろと話をしていく中で、サイトで『軍談』の復刻掲載をしていることをお話ししたところ、「秋山真之が日本海海戦を語っているっていうのは面白いですね、それも検討したいので見せてください」と鈴木さんから依頼されました。さらにもう一つ、話をしている中で別資料の企画も持ち上がり、この打ち合わせで私の担当は確定企画が1つ、要検討が2つとなりました(最後の企画は、こちらの事情もあって最終的に実現しませんでした)。


嫁に電話

打ち合わせ終了後、電車に乗る前に嫁に電話。「けっきょく、執筆依頼されたよ」「はぁ?!」「とりあえず原稿用紙10数枚分、書けるだけ書くことになった」「何かスゴイことになったね・・・・」。
こうして想定外の展開が相次いだ結果、約二ヶ月間の執筆、監修活動に入っていったというわけです。